
診療時間 / 午前 9:00~12:00 午後 16:30~19:00
※水曜・土曜は12:00まで
休診日 / 日曜・祝日
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※その他の症状がある場合でも診察しておりますのでお気軽にお申しつけください。
消化器科では、嘔吐、胃痛、胸焼け、下痢、便秘などの症状を診察しています。必要に応じて食道、胃、十二指腸について内視鏡で精密検査をいたします。
当院の内視鏡は苦痛の少ない鼻からのタイプの経鼻内視鏡を使用しており、挿入時の負担がかなり軽減されております。また口からの内視鏡をする場合は静脈麻酔をかけて寝ているうちに検査をいたします。
最近機能性ディスペプシアという新しい概念が話題になってきております。いろいろ検査して異常がないのに胃の調子がよくないという方は一度診察を受けてください。消化器(食道・胃)の検査をご希望の方は、お気軽に医師へご相談下さい。
【消化器科で診る疾患一例】
胃内部は強い酸性で保たれていますが、その環境下でも生息できる細菌がピロリ菌です。ほとんどの場合、幼少期に発症しますが、最近では、50代の発症率も上位を占めています。胃の粘膜に感染すると炎症を起こし、様々な病気の原因となっていることが明らかになっています。衛生環境の悪い地域での発症が多いなどの報告もありますが、発症原因については詳しくは明らかになっていません。
■慢性胃炎
胃もたれ、吐気、嘔吐などの症状が慢性的に続くといった症状があります。初期段階では、これらの症状が伴わないケースも見受けられます。
■食欲不振、栄養失調
胃液が少なくなるため、栄養素などが十分に吸収されません。
■様々な合併症
胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎、胃がん、胃MATLリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑症(ITP)などの原因となっていることが明らかになっています。
ピロリ菌は胃の粘膜に生息するらせん形をした細菌です。本体の長さは4ミクロン(4/1000㎜)で、2,3回、ゆるやかに右巻きにねじれています。 一方の端には「べん毛」と呼ばれる細長い「しっぽ」(べん毛)が4~8本ついていて、くるくるまわしながら活発に動きまわることができます。
胃の中は強い酸性(pH1~2)で、通常の菌は生息できません。しかしピロリ菌は胃の中の尿素を分解してアンモニアを作りだす「ウレアーゼ」という酵素出しており、アンモニアはアルカリ性なので、
ピロリ菌のまわりの胃酸が中和され、生息できるのです。
またピロリ菌の感染経路は明らかになっていません。しかし幼児期の胃の中は酸性が弱く、ピロリ菌が生きのびやすいためピロリ菌は、ほとんどが幼児期に感染すると言われています。
そのため最近では母から子へなどの家庭内感染が疑われていますので、ピロリ菌に感染している大人から小さい子どもへの食べ物の口移しなどには注意が必要です。
■ピロリ菌と胃がんの関係性について
胃がんとピロリ菌は密接に関係しているといわれています。1994年にWHO(世界保健機関)は、ピロリ菌をタバコやアスベストと同じ分類である「確実な発がん因子」と認定しています。
長期間にわたりピロリ菌の感染が持続すると、萎縮(胃の粘膜が薄く痩せる)が進行し、一部は腸上皮化生となり、胃がんを引き起こしやすい状態をつくりだします。また、胃潰瘍、十二指腸潰瘍や胃炎などの患者さんを対象とした調査では、10年間で胃がんになった人の割合は、ピロリ菌に感染していない人では0%(280人中0人)、ピロリ菌に感染している人では2.9%(1246人中36人)であったと報告されています。
※現在、保険適用でピロリ菌の検査・除菌療法を行うことができる疾患は決められています。
■ピロリ菌を除去し胃がんの再発を防ぐ
ピロリ菌を除菌すると、新しい胃がんが発生する確率を減らすことができる可能性があります。
早期胃がんの治療後にピロリ菌を除菌した患者さんは、除菌をしなかった患者さんと比べ
、3年以内に新しい胃がんが発生した人が約3分の1だったと報告されています。
WHO(世界保健機関)の国際がん研究機関は、ピロリ菌除菌に胃がん予防効果があることを認め、各国ごとにその戦略をたてるようすすめています。
【治療方法】
ピロリ菌は服薬による「除菌療法」で退治することができます。
胃の中の内容物(胃酸を含む)が食道内を逆流する症状を総称してGERD(Gastroesophageal Reflux Diseas)と言います。胃や食道の機能が低下し、下部食道括約帯(LES)が弛緩した際に起きると言われています。
逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)はGERDの中に含まれる症状の一種です。 胃と違い食道は粘膜のような防御機能が存在しないため、胃酸や十二指腸液が、食道に逆流することで、粘膜を刺激し炎症を引き起こします。症状が慢性化すると食道粘膜がますます過敏になり、少しの刺激でも食道が逆流しやすい状態に陥ります。
■空腹時や夜間の胸やけ、胸の痛み
喉まで胃酸が上がってくる感じ(呑酸)があり、ひどいときには痛みを訴える方もおられます。
■不眠症
夜間に多いため、不眠症に陥る患者さんもおられます。
■様々な合併症の併発
気管支喘息、中耳炎、咽頭炎、むし歯などの合併症に繋がります。
【治療方法】
食事指導と胃酸の分泌を強力に抑える新しい薬「タケキャブ」による治療を行っております。
バレット食道は、胃液の逆流が繰り返し起こることが原因となり、胃酸の刺激を受けていた食道粘膜が食道組織の損傷と回復を何度も繰り返すことで、食道粘膜である扁平上皮ではなく、胃の粘膜である円柱上皮に近い構造に変化してしまうことです。
■胸やけ・胸の痛み
特に夜間の痛みが特徴的です。吐き気もしくは嘔吐などの症状を併発することも。
■血便が出る
血便、もしくは通常とは異なった便の出ることがあります。
■食道がんなどの合併症
食道がんの発症に関与していると言われています。
【検査方法】
バレット食道は毎年0.1-0.5%の頻度でバレット腺癌になります。
この症状は早期発見がとても重要になり、当院では全ての内視鏡検査にNBI(narrow band imaging)を使った観察を行い、粘膜の表面を確認することで癌を早期発見することが出来ます。
アニサキスは、アジ、サンマ、サバ、イワシなど魚介類の内臓に住み付く寄生虫の一種です。
このアニサキスにかかった魚介類を、人間が食べてしまうと、腹痛、嘔吐、下痢などの症状を引き起こします。また、宿主である魚介類が死亡した後、筋肉の内部に潜り込むこともあるので、目視だけでは完全に除去できません。
生鮮魚介類を生で食べる日本では、33万人規模のレセプトデータを用いた試算で年間に7,147件と推計されており、諸外国に比べて高い傾向にあります。(2005年から2011年の年平均)
胃アニサキス症は、魚介類の生食後に数時間してから激しい腹痛や吐き気に襲われます。
主に腹痛は幼虫の胃粘膜への刺入による機械的な刺激が原因とされていますが、アレルギー症状による原因も考えられます。
また、ごく稀に起こる症状ですが、急激な呼吸困難や血液低下の症状も可能性として考えられます。
■激しい腹痛、嘔吐、下痢などの症状
食後十数時間後に、これらの症状が起きます。
■アレルギー反応
一部の患者さんは、かゆみを訴えるなどアレルギー反応が出ることもあります。
【予防方法】
アニサキス症にならないためには極力海産魚介類の生食を避けること、あるいは加熱後に喫食すること(60℃で1分以上)が確実な感染予防対策になります。また、しっかり冷凍処理(約-20℃、24時間以上)によりアニサキス幼虫は感染性を失うので、予防法としては有効的です。また加熱や冷凍以外の方法として,新鮮なうちに魚介類の内臓を摘出するなどの工夫も感染予防に適用できます。
【治療方法】
胃アニサキス症では胃内視鏡検査時に胃粘膜に穿入する虫体を見つけ、これを鉗子で摘出します。
非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD=nonalcoholic fatty liver disease)は、その名の通り、アルコールが原因ではない脂肪肝です。より詳しく言うと、飲酒習慣がまったくないか、一日のアルコール摂取量が、日本酒1合(ビール大瓶1本)以下の事を言います。飲酒を嗜む人は脂肪肝になりやすいイメージがありますが、普段お酒を飲まない方だとなかなか自分の肝臓が悪くなっていると気づきません。特に肝臓は回復力が強い「沈黙の臓器」なのでその傾向は顕著です。
NAFLDのなかでも、炎症や線維化を伴い、肝硬変や肝臓がんに進展する恐れのある病気をNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)と呼びます。運動習慣がない、肥満体質、糖尿病の患者さんは特に注意が必要です。
■身体の倦怠感
少しの運動で疲れてしまう、普段と違うだるさが継続的に続くなど。
■黄疸や腹部膨満感
脂肪肝はほとんど症状に気づきませんが、進行すると徐々にこれらの症状が現れます。
■様々な合併症の併発
NASHが進行すると、肝硬変や肝臓がんを合併するリスクが高まります。
【治療方法】
基本的には食事指導・栄養指導を行い、速く歩く、間食はしない、夜遅くものを食べないなど生活習慣を改善していきます。
特に体重を減らすことで非常に大きな改善が期待できます。